ノマド [仕事]

ノマドという言葉を最近知った。
相方に言われて初めて知ったのだけど、はてなキーワード曰く“「ノマド」とは遊牧民のことであり、いつも決まった場所ではなく、カフェや公園、お客さんのオフィスなどでノートパソコン、スマートフォンなどを駆使しネットを介して場所を問わずに仕事を進めること。「サードプレイス」という自宅でもなく、オフィスでもない、第三の自分の居場所で仕事を行う新しいスタイル”と紹介されている。
オフィスにはあまりおらず、客先かカフェで仕事をすることが多い最近の私の状況がまさにそれなのだけど、実際はそんなにかっこいいものではない。

もともとお客さんがなければ在宅でもいいという勤務条件で、かつ日本人ボスに“会社に来るとみんなにいろいろ言われて仕事増えるから、あんまり来なくてもいい”と言われたことが今の仕事スタイルの理由の一つ。
で、最近数ヶ月の間に従業員がちょっと増えたので、あまり広くなかったオフィスのデスクが人数分なくなったことがもう一つの理由。
外出の多い同僚とデスクをシェアしているのだけど、当然にいる時間が被ったりして不便なことも多々ある。
そうなると在宅でやればよさそうなものだけど、ここ2ヶ月ほど歩けるようになったりんりんがしょっちゅう家の中を巡回しており、遊びスペースとは別の部屋にいても入ってきて“遊ぼうよ”と誘うので、結局仕事がはかどらない。
そんなわけで、このスタイルが一番仕事がはかどるので自然とそうなった。

上海のスターバックスやWagasなど大手カフェはどこも必ずWifiに無料で接続できるので、ネット環境は困らない。
むしろ会社や家よりもネットの速度が速くて快適。
じっくり翻訳をしなくちゃいけない日は、天気が良ければ公園で作業をすると意外とはかどる。
急ぎの用件があれば同僚は携帯に電話してくるし、お客様も然り。

ただ私以外の同僚達は基本的に定時に出退勤しているわけで、それなりに周りには気を使う。
でもまあ詰まるところ、彼らにそれでも自分達が仕事を進めていく上でこの人は必要だ、と思わせることができればいいわけだ。
…うーん、どうだろう。

ただ当然に仕事の量は変わらないので、きちんと終わらせられるよう自分でスケジュールを組んでコントロールする必要はある。急ぎの仕事があればりんりんが寝た後にやるしかない。
これらの条件さえクリアできれば、確かに割と居心地のいい仕事スタイルではある。
まあ、これでお給料をもらえるのだから、ありがたいことだ。

スターバックスなどで仕事をしていると、同じように数時間もパソコンで仕事をしている中国人を割と見かける。
あれは中国版ノマドなんだろうか。
どのようなご職業なのか、機会があればぜひ聞いてみたい。


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職場復帰 [仕事]

75日(産後休暇)+30日(高齢出産休暇)=105日の産休が終り、先週から職場復帰した。
産休はあっという間に終わってしまったけど、りんりんを連れて日本へ帰国も出来たし、満喫したとも言える。
まだまだ体が仕事リズムに戻っていないのでとても疲れるし、やっぱりりんりんを置いて仕事に出るのはまさに後ろ髪引かれる思いなのだけど、それでも久しぶりに“お母さん”ではない役割になれるのはなんだか新鮮で刺激的だったり。
そろそろまたさぼっていたブログも更新しつつ、毎日成長するりんりんとの暮らしを楽しみながら、また新しい生活のリズムを作っていきたいなと思うところ。
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発想の転換 [仕事]

以前に私が会社でぶち切れて泣き喚いた原因を作った例の同僚が又やらかしてくれた。
私の産休もあって11月から日本人スタッフがもう一人入社したのだけど、彼はその彼女の紹介でやってきた。
最近いろいろトラブル案件が続いていて、また前と全く同じスキームでは解決できないことが多く一部業務を外部委託したので人間関係がより複雑になったこともあり、うまく進まない案件がいくつか重なった。
私はすでに引継ぎモードなため、入社したばかりの彼も大変な業務の一部を担わざるを得なくなった。
ただまだ入社したばかりで会社(ボス)のやり方がわからなかったりコミュニケーション上のすれ違いなどもあり、日本人ボスから少しきつく言われたらしい。
これを聞いた例の彼女は、私を含む同僚3名の実名を挙げ、彼らが業務に全く協力しないばかりか新人の彼を使っていてひどい、彼を攻めるのはおかしいと日本人ボスにメールをした。

しかしそこで彼女は決定的なミスを犯した。
このメールを間違って会社役員全員に届くメーリングリスト宛に送付してしまったのだ。
日本人ボスがメーリングリストに送ったメールに直接返信したために、ボス個人ではなくメーリングリスト宛に送ってしまうという単純でありがちなミス。
ただこういう微妙な内容のメールを送るのであればちょっと確認すればよさそうなものだと思うけど、考えてみると彼女はもともとパソコンに弱い。
これまでも私のところにボスに宛てたメールが何度か間違って届いている。
ちなみにこのメーリングリストは役員以外に、その彼女と新人の彼、私にも届くようになっている。

結果、現場がうまくいっていないということを役員全員に送られたのだから日本人ボスの面子は丸つぶれ。
新人の彼は、それではまるで自分が何もできなくて彼女に泣きついたということを言いふらされたようなものだとご立腹。
他の同僚をそんなふうに貶めたことにも激怒したボスは彼女に連絡をし謝れと命じ、それを聞いた彼女はまた激怒して新人の彼に電話して喚き散らし、新人の彼からはとんでもない目にあいましたよと私のところに電話が来た。
そしてボスから私のところにほとほと困ったものだという旨のメールが来た。

実際私はどちらかというと被害者だと思うし、メール自体を見たときには腹も立ったのだけど、別に彼女のこういった言動は今に始まったことでもなく、ふと第三者的にこの状況を見るとかなり滑稽で面白いな、と思ってしまった。
今回実は私やその他同僚も客先への説明訪問の同行、20時、21時まで残業して資料作成など、フォローも協力もしているのだけど、彼女はこのことを全く知らない。
そしてそれを知らないのは社内で彼女だけ。他の業務担当者はみんな大変なことになっているのを知っているし、労いの言葉もかけてくれる。
彼女が一人で現状を何も知らずに独り相撲を取っているに過ぎない。
多分、会社の中で自分の地位や権限を守りたい(もともとそんなものないのだけど)彼女は、新人の彼は自分が連れてきたので自分の一派に所属していると思っており、その彼をかばいたくてこんなことをしたのだろう。
でもその彼にも結果的には嫌われる羽目になったし、彼は彼女の一派だと他の人に思われることは迷惑だとさえ思っている。
そして理解には苦しむけど、彼女は彼女なりに、会社と日本人ボスのことを思ってこの報告をしたのかもしれない。
でもそのボスはものすごい怒りようだ。

一生懸命やればやるほどうまくいかなくなったり、ことごとく裏目に出たりすることって人間だれでもあると思うけど、そのちょっとしたすれ違いとか差がだんだん大きなものになってどうしようもなくなって、そこで本人が真剣で必死であればあるほど、第三者から見たらすごく面白かったりする(本人には悪いけど)。
そう考えてみると今回のことはまさにコメディで、ちょっとアレンジしたら芝居になりそうな話だ。
結果、面白いもの見たわー、芝居や映画よりもむしろ現実の方がコメディだよねーと相方と笑って、事をやり過ごすことができた。
うきーっとなるより、このほうが絶対に胎教にもいい。
でも念のため、お風呂に入って邪気を落として寝ることにした。

今週もお疲れ様。
産休までいよいよ後1週間。
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円満退職 [仕事]

退職した。
と言っても、退職したのはずっと宙ぶらりんになっていた中国人ボスの会社のほう。
本当は12月末までと言われていたのだけど、お腹が重過ぎるから無理ですと言って11月末までにしてもらった。
敵対している日本人ボスの会社に関わっていることは多分知られていないので、中国人ボスも“赤ちゃんが生まれたら見に行くわ”と言っていたし、同僚達とも“赤ちゃん生まれたら連絡するね”と和気藹々と最後まで話ができたので、かなりの円満退社だと言えると思う。
それにしても、我ながらよくこの数ヶ月間しらばっくれて中国人ボスの会社にも関われたと感心。
とりあえず中国人ボスの会社に出勤している時は、日本人ボスの会社のことは知らぬ存ぜぬで通した。
ずっとそんな態度をとっていると、最後のほうには中国人ボスの会社にいるときは本当に日本人ボスの会社のことは知らないというモードに自然に入れるようになって、我ながら人間ってすごいなと思った。
まあ、これも防衛本能の一部というところなのかしら。

そしてストレスが溜まってそろそろ限界かなと思っていた日本人ボスの会社も、今週から基本的には在宅でいいということで話が通った。
ボスも“出産モードに入ることを応援します。帰ってきたときは会社もちょっと落ち着いているはずなので、その時の居場所はしっかり確保しておきます”と言ってくれた。
普段は会社にいろいろと不満はあるけど、なんだかんだ言っても最後にはボスがいい人なので、これまで辞めないで(辞められないで?)来たんだろうなと思う。

ただ在宅になったとはいうものの、実際には12月下旬まですでにお客さんのアポイントが入ってしまっていたりして、しかもそれが設立からずっと関わっているお客さんで日本本社からわざわざ来るようなケースだったりすると、やっぱり後任の担当者にぱっと任せるのも気が引ける。
まあ、がんちゃんとも相談しながら、無理しない程度にもうちょっとがんばろうかな。
最近お客さんのところに行くと必ず、“お腹、相当大きくなってきましたね”とびっくりされるけど。
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失態 [仕事]

昨日、会社でもこれまでにない失態を犯した。
社内中から嫌われている中国人がいるのだけど、彼女からの理不尽な内容の電話を受けた後に、あまりにも腹が立ったのとくやしかったので、社内で号泣(とまではいかないかも・・・)してしまった。なんてこった。
自分でいうのもなんだけど、特に中国で暮らすようになってからかなり大らかになったし、特に仕事上ではちょっとやそっとのことじゃ笑い飛ばして、ある程度愚痴を言っていろんな人がいるから気にしないと開き直れることのほうが多かったのに。
妊娠後期に入って体が今まで以上に疲れるようになったのも関係あったのかもしれない。
あとは最近、お腹が何かに当たりそうになったら無意識に避けたり、心理的にも外からの攻撃に敏感になったかなと感じることはあった。
電話を受けたとき、今まで感じたことのないような嫌悪感を感じた。

私が激怒した電話の相手の彼女は、日本人ボスの愛人という噂もある曰く付きの従業員(実際は以前からの知り合いというだけで実際に愛人ということは多分なく、中国人ボスが日本人ボスへの嫌がらせでスタッフみんなに風潮した)。
日本に7年ほど留学していたので日本語が話せることもあり、中国人ボスと日本人ボスが袂を分った際に助っ人として日本人ボスが会社に入れた。
たしかにオフィスの物件探しや内装まで彼女が手配したので、新事務所の立ち上げが彼女なしではできなかったのは確かかもしれない。
ただ一部の中国人にありがちだけど、権力志向がものすごく強い。
会社の証書類や印鑑・お金は絶対に自分の管理下に置くし、そもそも他のスタッフに対する態度が管理者そのもの(実際には何のポジションも権限もない)。
挙句の果てにこの業界ではど素人なのに、会社に5年もいるスタッフの仕事の仕方に口を出したりして、かなり前から会社中で総スカンを食っていた。
私もはじめはやり方は問題あるけど日本人ボスが常駐じゃないわけで、誰か悪者になって管理することも必要だし彼女もそれはそれで大変なのかもなあ、などと思っていたのだけど、ここまでくると庇いようがない。

すでにある程度日本人ボスへの信用で中国人ボスの会社を辞めた後もついてきてくれたスタッフばかりか新スタッフにも影響を及ぼしており、このままの状態を続けると、怒り・不満の対象が彼女自身から会社または日本人ボスに向く可能性は十分にある。
つまり、①なんであんな使えなくてしかも嫌なやつをずっと会社においておく?→②やっぱり愛人なの?/日本人ボスは人を見る目がない=この会社将来性ないんじゃない?→③モチベーションの低下など事務所全体への影響→④スタッフの離職、なんてことにもなりかねない。
たった一人の従業員とはいえ、10人にも満たない会社であれば一人の影響はかなり大きい。
現在社内では彼女個人への嫌悪を通り越してすでに②の情況にきており、③ステージに進むのも時間の問題。

そもそも中国の特に個人オーナーの企業では、会社でお金を握っている人=老版娘(社長の奥さんもしくは愛人)というケースが多い。
実際に日系企業の社長が自分の愛人を財務担当者にするといったケースもこの業界ではよく聞くので、ちょっとでもその疑いがあれば嫌悪感を抱く中国人は少なくない。
会社内に社長の愛人がいたんじゃやりにくくてしょうがない、というのは別に中国に限った話ではないだろうし。
私はこの際愛人かそうでないかはどうでもいいけど、ここまで影響が大きい以上、損得だけで考えても会社的に彼女を置いておくメリットが見つからないと思う。
むしろその悪影響のほうが計り知れない。
しかも彼女はかなり早くから不動産に手を出していたためかなりの資産家。
彼女はそもそも緊急時の助っ人スタッフとしてきたので引き継ぎが終わったら辞めるという発表はしばらく前にあったんだけど、その後退職時期も確定せず、日本人ボスの煮え切らない態度にもスタッフがいらいらを募らせている。

私が爆発したのは、中国人ボス側の会社を11月末まで引継ぎを行ってから正式に退職することになっており、またそちらの仕事や体調のこともあるので午前中は遅めに出社していることに対して、問題の彼女に“私たちは10月末にあなたはあっちの会社を辞めてこっちで正式に働くって日本人ボスに聞いてたわよ?日本人ボスはそもそも前の会社を辞めたスタッフ達のために苦労して新しい会社を作ったのに、あなた達は会社のために何をしているの?”というようなことをくどくどと言われたからだ。
日本人ボスが他の人に退職時期がいつだと話していたかなんて私の知ったことではないし、これらはすべて日本人ボスに了解を取っている話だ。
大体中国人ボスの会社に籍を残している事だって決して私の望んだことじゃないし、敵対している相手の会社に行って何も知らないように振舞うなんてかなりの精神力がいることで、どちらかというと精神的損害に対する手当を払ってもらってもいいんじゃないかと思うくらいだ。正面立って敵対しているほうがまだ楽だと思う。
家にいたって朝からメールチェック・電話連絡してから出社して、2時間ほどの残業は当たり前、帰宅してから仕事することも多いし、へたしたら土日だって仕事している。
仕事時間だけで換算しても、普通に出社して働いている人を優に超えていると思う。
そんなことも全く知らない彼女に、なんだってそんなこと言われなくちゃいけないんだろう?
しかも“私はあなたを批判しているんじゃなくて、アドバイスしてるのよ”などとえらそうに言われた日には反論する気も失せ、“あなたとこのことについて議論する気はない”と言って電話を切った。
他の人と一緒にやったとしても、“これはすべて私が私がやりました!”と会社にアピールするのが当たり前のこの国だけど、日本人の私としてはやっぱりこれだけ苦労してます、こんだけ仕事してますなんていうのはどちらかというと恥ずかしいことだと思っていて、その辺りはボスが理解して汲んでくれたらいいやと思っているところがある。
でもさすがに彼女のこの一言で、私は今日にでも病院で発行してもらった病気休暇証明を提出して明日から出社しませんと言ってやろうかと本気で考えた。
今思い出しても腹が立つので、昨日あんな失態を犯したのはやっぱり怒りのパワーが尋常じゃなく強かったに違いない。

でも彼女以外のスタッフはあくまでもやさしく、トイレまで付いてきて私が泣き喚くのを横で聞いてくれたり、ちょっと落ち着いて帰ってきたら“とりあえず気分を変えてご飯食べに行こう”と誘ってくれたり、“お母さん怒ったらびっくりするわよねぇ、大丈夫よ”とお腹のがんちゃんに話しかけたりしてくれた。
そして夜には“あんなあほは気にするな。今は出産が第一!”とメールが入ったり、その場にいなかった日本旅行中のスタッフが心配してわざわざ電話をかけてきてくれたりした(親切(おせっかい?)な別のスタッフが、○○があいつに泣かされた!と日本まで連絡した)。
彼女には“普通の中国人なら会社の都合なんか気にせず、とっくに病気証明提出してもう出勤なんかしないわよ。あなたも気にしないで新人ができるできないに関わらずさっさと引き継いで休んじゃいなさいよ”と言われた。
まあ、全くその通りかもしれない。
会社はいくらでも変えられるけど、がんちゃんを出産までちゃんと守ってあげることは今しかできない。
とりあえずさっさと引継ぎ資料を作ってしまおう。
あとは病気休暇証明の切り札をどこかで使うだけだ。

さてさて、平日にがんちゃんにストレスをかけてしまった分、土日はゆっくりしなくちゃ。
と思ってたら、仕事の電話がかかってきた。
はあ。
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忙。 [仕事]

最近仕事が忙しい。
いや、普通の忙しさじゃなくて半端なく忙しい。

中国人ボスと日本人ボスが決裂し会社が新体制になったことで、特に日本側は社内の体制が崩れてほぼ0からの状態になった。
旧会社から来てくれた中国人スタッフはあくまでも実務担当者で、内部管理や社内の雑務をしていたわけではないからだ。
ある程度実務はできるので業務は続けられるけど、内部は散々な状態。
この機会なので給与制度や従業規則、労働契約書、また社内の休暇申請や交通費精算などのフォーマットも前のものを参考に見直しをして再度作成することに。
またすべてのことが普段中国にいない日本人ボスの一括権限に。

しかしここで問題が。
会社の組織作りが過渡期なので、“担当が決まっていないけど誰かがやらなければならない仕事”というのが山のように出てくる。
上海で3年半仕事をする中で十分過ぎるほどわかったことだけど、中国人ははっきり定められた自分の仕事範囲以外、基本的に手を出さない。
逆に言えば、仕事範囲をきっちり決めないと仕事ができない。何をしていいかわからないからだ。
日本人のように“よきに計らえ”とか“仕事がなければ自分で探せ”とか“空気を読んで動け”とか、まず無理。
その代わり、自分の担当だと責任を持たされた範囲では、評価もあるのでものすごく一生懸命仕事をすることも確か。

日本人ボスは基本的に仕事の指示メールを“皆様へ”または“○○さん、○○さん”といった複数のスタッフ宛に出す。
皆さん(あるいは一部のスタッフ)で相談をして適切に処理をしてください、ということなのだろうけど、この場合ほぼ100%こちらのスタッフが主体的に“動くことはない。
他の誰か(少なくとも自分ではない誰か)がやると思っているからだ。
またそれが日本語ができないスタッフへの指示メールであった場合、内容を○○さんが翻訳してあげろと同メール内に指示がない限り、気を利かして訳してあげるなんてことはほとんどないと考えていい。
現在社内には中国語・日本語可のスタッフが私も含めて3人いる。
私以外は日本留学・就学経験のある中国人だけど、語学はある一定できても、そういった気を利かせて主体的に動くとか、日本人ボスの意図を汲むといった程度までは難しい。
今の体制における決定的な弱点は、日本人ボスとスタッフとの間に、日本人ボスの意図を汲んだ上で中国人スタッフに的確に指示を出せるような中間管理者がいないことだ。
もし日本人ボスが常駐でこちらにいるならまだ話は別だけど、現状でそれは無理。
今のところ、すぐに中間管理職が来てくれる見込みもない。
結果、“意図が汲めてしまう”“気付いてしまう”日本人である私に仕事が回ってくる可能性がとても高くなる。
つまり、やればやるほど仕事が増える。

またまずいことに、私のポジションは顧客と実務担当者の間に立つのが主な仕事のはずなのだけど、社内の通訳・翻訳もある程度兼ねているので、日本人ボスがスタッフ宛に出すほぼすべてのメールがCCで送付されてくる。
指示を出しても反応がないのでいらいらした彼が“あれはどうなってる?”と聞いてきたら、“確認してみます”となる。
中国人スタッフに確認をすると、当然誰も手を付けていない。
そうなると、誰がやるのか?どういう役割分担でやるつもりなのか?手続きの順序は?と口を出す必要が出てくる。
また進捗を日本人ボス報告しなくてはならないので、都度の確認が発生する。
ここまで来ると、この仕事は私が手を出さざるを得なくなっている。
一旦口を出してしまったら終わり、なのはよくわかっているのだけど、こうなってしまったらどうしようもない。
こうして社内の通訳・翻訳・報告業務が果てしなく増えていく。

組織がまだちゃんとできておらず落ち着かない状態だから社内スタッフの不満も溜まり、前の会社から来たスタッフ達の愚痴を聞いたり、新スタッフの文句を聞いたりといったことも多い。日本人の私に話せば一番日本人ボスに伝わりやすいと思っているところもあるだろうけど。
ただ残念なのは、愚痴や文句は言うのだけどそれを自分から動いて改善しようとしたり、姿勢はないこと。
そんなに言うなら自分でやれ!と思わなくはないけど、私は別に権限があるわけではないのでとりあえず聞いて必要なら日本ボスに報告する。
前の会社から一緒にやっているスタッフならそこで、“こうしたらもうちょっとうまくいくのでは?”“この部分はボスにも相談して、顧客にも提案してみよう”と相談したりできることもある。
本来なら、この特に顧客サービスに関わる辺りが私の仕事なのだと思うけど、最近はそういう相談をきちんとする余裕もなくなってきた。

加えて、新体制で担当者が変わったことなどの原因で、従来の顧客とのやりとりやクレーム処理などがこれまでの通常業務+@で増えている。
そしてこういう時に限って新規顧客の問い合わせや来社が続き、実務スタッフへのスケジュール確認や質問事項に対する指示出し、進捗管理、見積書作成などが続く。
新規顧客の契約を取ると特に始めの数ヶ月は説明や確認事項、質問への対応などものすごく多いのでとても手間を取られるのだけど、これがこの1、2ヶ月で4件続いている。
別体制になった中国人ボスのところにもまだ日系顧客がいて、その引継ぎも11月いっぱいは続く。
一日に2、3件の訪問がある日が続いたり、日本人ボスが上海に来ている時期なんかは顧客対応や社内会議で昼間は全く自分の従来業務に手を付けられなかったりということもよくある。
一つのことをとにかく終わるまでやっていればいいという仕事ではなく、全く違うことを同時平行して進めなくてはいけないこともあり、頭の中もパニック状態だ。

結果今月は特に、切迫流産の時に在宅で仕事をしていたこともあって自宅パソコンにも会社のメールが設定してあるため、朝起きたらとりあえずメールをチェックして急ぐものには返信や確認連絡、10~11時に出勤もしくはお客さんの所へ訪問、会社で19~20時まで残業、帰宅して夕食を食べたらさらに日報や報告事項メールをして、自分ことをしたり休めるのは22~23時、というような生活が続いている。
他スタッフとの連絡・確認など発生する仕事は平日にやるしかないけど、自分でできる翻訳業務など特に急ぐ場合は週末にやらざるをえなくなる時も。
はっきり言って、妊娠する前に仕事の忙しさがピークだった頃よりも更に忙しい状態といえる。まさに工作狂(中国語でワーカホリック)状態。
私も中国人みたいに“それ、私の仕事じゃありません”とか言ってみようかな。・・・無理だな。
この状態に改善に見込みがあるかどうかは、さすがに私も産休を取らないわけにいかないのは会社もわかっているので後任の日本人が来るのはとりあえず決まっているのだけど、ビザの手続きをしたりしていて11月中旬までにこられるかどうか、という何とも中途半端な情況。
まあ入社したとしても、すぐに“これ、全部お願いします”というわけにはいかないだろうし。

中国人同僚には、“お腹の子に悪いから、残業してないで早く帰りなさい!明日やればいいんだから”と毎日言われる。
そりゃそうなんだけど、すでに3、4日手を付けていない仕事があったりすると、そういう訳にもいかない。
ある日中国人同僚達に言われた。
“そんなにお腹大きくなっても働いているなんてえらい!”。
え、だって法定の出産前産休って15日じゃないの?中国では出産しても仕事やめない人が多いって聞くけど?
曰く、現在ある程度法律を守るような規模の会社(外資はコンプライアンス重視なので基本的にOK)や政府部門で働いている人たちは、妊娠がわかった時点でお医者さんに長期の病気休暇の証明を出してもらい、そのまま出勤せず出産、出産後も法律にある会社任意の休暇まで目いっぱい取る人が多い。
病気休暇や会社任意の産後休暇であれば、ある程度給与ももらえるからだ。
せっかく国でそのような待遇が定められているのだから、使わない手はない!ということらしい。
ま、そりゃそうだ。

でも会社がこんな状態だしそんなことも言ってられないよなあと思うのは、日本人だからか。
まあ、私自身の性格もあるのだろうけど。
とりあえずもうすぐ妊娠後期になるのに今の情況はさすがにまずい。
現状を日本人ボスに報告したけど、すぐにどうなるとも思えない。
相方とはあまりにもこの状態が続くようなら、病院である程度の証明を出してもらうことも考えないといけないという相談もしてはいる。
こういうとき、大企業だときっと対応が違うんだろう。
仕事自体は小さいところのほうが現地採用であれ自分の判断で動ける裁量もあるので面白いと思うけど、これからがんちゃんを育てていくとなるとその辺りも考えなきゃいけない日が来るかも。
そのときは転職すればいいか。

そんな中でもがんちゃんは元気で、私が顧客対応をしている時に限ってものすごいキックをしたりする。
あれはちょっとやめてほしい。
まあ、母ちゃん無理はだめだと言ってくれているのかもしれない。
もしくは、お客さん相手だとよそ行き用に声のトーンが変わるのでそれに反応しているのか?
毎日寝る前に安産灸をしながら元気に動くお腹に向かって、今日もがんばりすぎた・・・と反省中。

寝る・食べる・遊ぶが仕事のちくわさんと牛子さんは、今日もお昼寝に励んでいます。

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妊娠中の仕事②復帰後 [仕事]

8月に入ってから、たまにお客さんを訪問したり、調子がよければ午後から会社に行ったりするようになった。

実はこの間、会社で大変なことが勃発。
前々から中国人ボスと日本人ボスの根本的な考え方や経営方針が合わず、火花がばちばちしていたのだけど、本格的に戦闘体制になり、8月からオフィスも別になって、完全に袂を分かつ形になった。
もともと一体で経営をしていたので、従業員や顧問先も明確に分けていたわけではないし、この処理がまた大変。
私の場合、どちらにも日系のお客さんがいてどちらにも日本人常駐スタッフが私一人しかいないので、とりあえずしばらくは兼任という形を取らざるを得ない形に。
基本的には双方が敵対関係なので、またいろいろと気を遣う・・・。

そんな訳で基本的には在宅勤務にしてもらい、どちらかの会社で何かあったらそれぞれのオフィスに出社、または顧客訪問というよくわからない業務形態に。
このお客さんはどちらの契約だったかな?と混乱することもしばしば。
私の立場では、こんな情況でもなるべくお客さんに迷惑をかけないよう、努力するしかない。
ただ担当者が変わったりしたこともありクレームも結構出てきて、その対応もあったり。
まあ、これはしかたない。お客さんの気持ちもよくわかる。

日本人の私としてはいずれは日系へのきちんとしたサービス提供を目指す日本人ボスに付いて行くことは明確なのだけど、それにはもう少し時間がかかりそうだ。

それにしても、中国人に会社を乗っ取られたとか、内紛が起こったとか話にはよく聞くけど、まさか自分の働いている会社がそんなことになるとは。
大変ではあるけど、間近にこういうものを見ると、こういう時って日本人と中国人の経営者って全く違う対応するんだなとか、人間って修羅場になるとこんな態度を取るんだとか、割と冷静に観察できている自分もいる。
まあそれは、自分が経営者ではないという気楽さあってのことだろうけど。

妊娠中の仕事①妊娠~切迫流産 [仕事]

がんちゃんがやって来たのがあまりにも急だったので、妊娠中や出産中に仕事を続けるかどうか、まだ真剣に考えたことがなかった。
後でネットや本なんかで読むと、職場に伝えるタイミングについていろいろ書かれているけど、私の場合は婦人科に行ってはっきりした日の3日後に飛行機での出張を控えていたため、考えている暇もなくすぐに職場に伝えることになった。

ただこれまで上海で仕事をしている限り、妊娠、出産、育児において仕事を続けることへの不安はあまり感じたことがなかったように思う。
前の会社でも今の会社でも、大きなお腹で出産ぎりぎりまで仕事をしたり、産休後授乳休みを活用しながらの子育て、就学前の子を親やお手伝いさんや幼稚園に預けながら仕事する女性はたくさんいた。
ただ話を聞く限りは多くの場合、退職した親など家族の協力があることは大きなポイントのようだったけど。

それから私の場合、元々あまり体が強くないので、今の職場では無理をせずにお客さんなど特になければ午後からの出勤でもよい、と以前からかなり柔軟な働き方をさせてもらっていた(その分できることは努力をしてきたつもりではあるけど)。
女性の同僚には、うちの会社はわりと融通が利きそうだし、あなたが子どもができてもしばらく在宅とか半日出勤とか働き方を相談しながら十分に仕事続けられるでしょ、と前から言われていた。
そんなわけで、赤ちゃんがいることがわかった時、仕事をやめるという選択肢はあまり頭に浮かばなかった。
実際妊娠の報告をすると同僚やボスも手放しで喜んでくれたので、この先のことはまあゆっくり考えよう、くらいの気持ちでいた。

結局がんちゃんのことがわかってから2週間ほど経った時点で切迫流産になったので、会社を1ヶ月ほど休むことになった。
中国人・日本人ボスともとにかく赤ちゃんを一番に考えて、初めての妊娠だし、まずは何もしないで休みなさいと言ってくれた。これは6月20日時点。
それまで予定に入っていた仕事はとりあえずもう一人の日本人に頼んだのだけど、問題は前々から6月末時点で彼女の退職が決まっていたこと。
退職後は完全帰国ということで退職時期を伸ばしてもらうわけにも行かず、6月末時点で会社には私以外の常駐日本人が0に。
業界柄、月初はお客さんとの連絡・確認事項がどうしても発生するので、最低限のメールと電話だけは受けることにした。
日本人ボスには、“仕事だし1週間遅れたからってこういう情況じゃしょうがない、無理せず割り切っていいですよ”と言われたのだけど、いやいや、そういう訳にもいかないし。
そんなわけで7月に入った時点で相方に会社のノートPCを家に持ち帰ってもらい、一日の仕事時間を最低限にするようにしながら対応した。
出血や痛みなど自覚症状があまりなかったので、少し仕事をし過ぎて相方に注意されたりしたこともしばしばだったけど・・・。

医者から病欠証明が出ていた7月20日までの1ヶ月、在宅で少し仕事はしたけどとりあえず出勤やお客さんへの訪問はしなかった。
8月に入ってから日本人ボスとも相談をし、どうしてもお客さんへの対応が必要なときだけ出社、もしくは訪問をする形にしてもらった。

ボスが一貫して“どうせ仕事なんだからと割り切って、無理はしなくていいです”と言ってくれたことは、気分的にとても救われた。
自分の中ではどこかで仕事ができないことへの罪悪感や焦りがあったのだけど、少なくとも会社側の対応の中でそういった気持ちを助長させるようなものはなかった。
中国人同僚達もできるだけ通訳を通さなくても業務ができるよう、なるべく私に連絡を取らないよう気を遣ってくれた。

切迫流産になった私への会社の対応を見て改めて、この会社だったら出産後も仕事を続けられるかもしれないと思えるようになったかもしれない。
その後、日本人ボスにははっきりと“妊娠・出産してもこちらの女性は働くのが当たり前だし、私も仕事を続けたいと思っている”と伝えた。

もちろん、仕事を続けることに対して相方の理解を得られたこと、彼の仕事が割りと自由のきく職種なので出産後もいろいろな面で協力を得られるイメージが持てたことも大きな要因だったと思う。

がんちゃんが生まれたら、例えば片時も離れず傍にいたいとか、また別のことを思ったりするのかもしれないけど、それはそれでまたその時に考えたらいいかな。

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