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上海出産事情⑪龍宝宝を生むために [上海出産事情]

出産前の最後の健診に行った日、面白い話を聞いた。
春節数日前のこと、予定日間近の中国人夫婦+妊婦のお母さんがVIPのフロアで言い合いを始めたそうな。
原因は、“赤ちゃんがすでにかなり大きくて逆子なので、帝王切開でも早めに産んだほうがいい”というお母さんと“どうしても龍宝宝(辰年ベビー)がほしいから、せめて年明けまでは待ちたい”という旦那さんの対立。
そりゃ、お母さんからしてみれば自分の娘の体が心配だろうし、龍宝宝なんて言ってられないだろう。
言い合いは2~3時間にも及び、その場で聞いていた人はうんざり。
結局春節開け早々の26日の健診を予約して帰ることになり、なんと元旦の23日に奥さんが産気づいて、無事に龍宝宝(しかも元旦生まれ)が生まれたのだそうな。
なんと親孝行で、そして空気の読める赤ちゃん…。

りんりんもそういう意味ではこちらの話を聞いてくれるとてもいい子で、“年末年始はタクシーが捕まらないし、病院も人手が少ないからもうちょっと待ってて”“病院の正月休みが終わったし、予定日過ぎたからもう出て来てもいいよ。出て来い、出て来い”などというわがままな親の願いを聞いて、ちゃんと予定日の次の日にすぽっと出てきてくれた。
お腹の赤ちゃんに言い聞かせると案外それ通りに出てきてくれるという話は本当だと思う。

それにしても中国人の龍宝宝に対する思いは強烈なようで、最近とんとん拍子にお付き合いがうまく行って年内にも結婚か?と言っている中国人の友達は、“ついでだから今年子どもも産んで、龍宝宝にしちゃいなよ”と周りに言われているらしい。
りんりんの右側のおでこには小さな突起物があるんだけど、病院のスタッフやお祝いに来てくれた同僚には“龍宝宝だから小龍角が生えてるんだね。かわいいね”と言われる。
龍宝宝だと、いろいろなものが縁起がよくなるらしい。

一体今年は中国中で何人の赤ちゃんが生まれるんだろう・・・。
中華圏で考えたら、ものすごい数になるんだろうな。
ちょっと恐ろしい・・・。
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上海出産事情⑩健診、出産費用 [上海出産事情]

上海で出産をするかどうか考えたとき、健診や出産費用の問題はやっぱりとても大きかった。
妊娠・出産に関するものは海外保険では全くカバーされないので、全額自費になる。
海外なので、当然に日本にいたら享受できる妊婦健診のチケットなど自治体の補助ももらえない。
私も妊娠したばかりの頃に一体目安としてどれくらいかかるのかネットでも調べたけど、特に健診費用については具体的な情報があまり得られず最後まで不安だったこともあり、一応まとめておく。

友達に聞いたり資料をもらったりした上海市内でも外国人やホワイトカラーの中国人が多く出産をする病院の料金比較。
①中国福利会国際和平婦幼保健院(VIP):上海人の間でも上海市第一婦嬰保健院、上海市紅房子婦産科医院に並ぶ三大産婦人科病院と言われている病院のひとつ。VIPは毎回800元の診察料があるので一般の診察部門とはかなり差別化されている。予約が取れないことでも有名。
②上海ユナイテッドファミリー病院:私が知る限りでは上海で一番高いけど、日本人の産婦人科医がいる。健診を受ける先生は選べるらしい。通訳が付く。古北の端っこにあるいるので、浦東などに住んでいる人はちょっと遠いかも。一度マタニティクラスを受けに相方と行ったことがあるけど、病院内はかなり清潔感があってさすがに立派だった。欧米系の外資なので、欧米人もたくさん見かけた。
③美華医院:こちらも外資系だけど、華山医院と提携をしているらしい。海外に留学経験のあるようなホワイトカラーの中国人が割りとこちらで産むと聞いた。ただ日本語のサービスはないよう。

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そしてこちらがあくまでも私の場合だけど、健診と入院でかかった実際の費用。
以下はすべて国際和平の費用で、その前に何回か日系クリニックに行ったけど、これは毎回2000元くらいかかった。
里帰り出産の場合には28週とか30週くらいまで日系クリニックで診てもらうことも多いようだけど、負担はかなり大きいと思う。

出産費用2.jpg

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日本円にすると健診と入院費用で合計して45万円弱(ウェルビーの費用を含め)なので、出産育児一時金がもらえるとしたらちょっと足が出るくらい。
ただし何が起こるかわからないし、帝王切開になると費用もぐんと上がるので、上海で産むならある程度お金の準備と計画をきちんと立てることはやっぱり必要だと思う。
確かに赤ちゃんが無事に産まれてきてくれればそれでいいのだけど、やっぱりお金の問題はある程度シビアなわけで、海外での出産は楽じゃない。
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上海出産事情⑨出産前の赤ちゃん性別判断 [上海出産事情]

中国では例えエコーでわかったとしても、出産前に赤ちゃんの性別を教えてもらうことは違法だというのは妊娠前から聞いていた。
でもそんなに厳格に守られているとは思わなかった。
外国人だから関係ないんじゃないかと思っていたのだけど、私の行っている病院では“国籍で差別はできません”と完全に拒否。
エコーのときも、判断ができそうな部位はわざと見せてくれない。徹底している。

病院内にはこんな張り紙が。

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“母嬰保健法”と“人口と計画生育法”及び関連の法律法規に基づき、非医学の目的で胎児の性別鑑定を行うこと、胎児の性別選択による中絶は厳重に禁止する。
違反者は法律により処罰を受ける。
上海市通報電話○○○○○○ 
上海市衛生局 
上海市人口と計画生育委員会”。

通報の電話番号まで載っていて、何だか恐ろしい書き方だ…。

法律によると下記のようになっている。
①≪中華人民共和国母嬰保健法≫第37条
母嬰保健の仕事に従事するものが本規定に違反し、関連の虚偽医学証明書の発行あるいは胎児の性別鑑定を行った場合には、医療保健機構あるいは衛生行政部門により状況に基づいて行政処分が行われ、事案が重大な場合は法に照らし業務資格を取り消す。

②≪中華人民共和国母嬰保健法実施弁法≫第42条
本弁法に違反し胎児の瀬別鑑定を行った場合、衛生行政部門により警告が与えられ、違法行為の停止を命じられる。医療、保健機構に対し直接責任を負う管理者とその他直接の責任者に対し、法に照らし行政処分を与える。胎児性別鑑定を2度以上行うあるいは営利目的で胎児性別鑑定を行った場合には、証書発行機関より相応の母嬰保健技術業務資格あるいは医師業務証書を抹消される。

③≪中華人民共和国人口と計画生育法≫36条
本規定に違反し、下記行為のひとつがあった場合には、計画生育行政部門あるいは衛生行政部門により職権に基づき改善を命じ、警告を与える。
違法所得が1万元以上の場合、違法所得の2倍以上6倍以下の罰金に処する。
違法所得がないあるいは違法所得が1万元に満たない場合、1万元以上3万元以下の罰金に処する。
状況が重大な場合、証書発行機関により業務証書を取り消され、犯罪となるものについては法に照らし刑事責任を追及する。
(1)非法に他人に計画生育手術を施行した場合
(2)エコー技術とその他技術の手段を利用し他人に医学上必要のない胎児性別鑑定あるいは性別選択のための人口中絶を行った場合
(3)偽の避妊手術実施、偽の医学鑑定実行、偽の計画生育証明を発行した場合

上記から見る限り、病院側が敏感になるのも頷ける内容だ。

ちなみに私が聞いた範囲では、外資系のユナイテッドファミリー病院と美華医院では問題なく教えてくれるらしい。
後は日系のクリニックに検査に行っても教えてもらえると聞いた。
外資系病院で、かつ外国人限定なのかと思ったら、外資の病院で健診を受けている中国人の知り合いも教えてもらえると言っていた。
出産前にどうしても性別が知りたかったら、よっぽど何か裏技を使える場合以外は、外資系病院かクリニックで一度健診を受けてみるのが一番確実かな。
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上海出産事情⑧ベビー・マタニティ用品(単語編) [上海出産事情]

タオバオなどで検索時に便利なベビー、マタニティ用品に関する中国語一覧。

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上海出産事情⑦ベビー・マタニティ用品 [上海出産事情]

がんちゃんを我が家に迎えるにあたりなるべく物は増やさないようにしようと思ったものの、それでも人間(しかもサイズがかなり違う)が一人増えるので揃えなきゃいけないものはそれなりにある。
ネットで日本の赤ちゃん準備リストみたいなのを見るとものすごい量なので、とりあえず相方の妹さんや周りの人たちに聞いてとりあえず必要そうなものを揃えることにした。
しかし実際に揃える段階になって、はて、どこで買えばいいのやら?
まさかすべて日本で調達するわけにもいかないし。
というわけで、周りに聞いたり自分で見に行ったりしながら収集した上海のベビー用品事情。

1.ネットを活用する
ずぼらな私はまずは出かけなくていいネットショッピングで済ませられるものは済ませようと考えた。
主にがんちゃんと私の服、布団、タオル類と紙おむつなどの消耗品はネットで購入した。

(1)淘宝(タオバオ)
いつもお世話になっているタオバオさんを今回もフル活用。
ただ中国語の単語を知っていないとお目当てのものが検索されないので、慣れるまではちょっと苦労した。
ベビー・マタニティ用品に関する単語なんてこれまではほぼ使わなかった単語だし、ほとんど専門用語と言ってもいい。
大体日本語で言われてもわからないものもたくさんあった。
ベビー服関係はこれまで出産祝いをタオバオで購入したりしていたので、それなりにわかったものの、マタニティ関係は今回勉強(検索用中国語はこちらを参照:http://nakonokoko.blog.so-net.ne.jp/2012-01-08)。
中国のものは質などよくわからないので、日本輸出向けの商品を主に探した。
日本から送ってもらった赤すぐなどに記載されている商品やメーカー名を参考にしたり。
子供服やベビー用品だと千趣会や西松屋のものはかなり出てくる。

タオバオで実際に購入したのは
①がんちゃんのロンパース・おくるみ・スタイ:外国輸出向けのものを購入
②私のマタニティパジャマ・マタニティ服(主にズボン類)・出産後用の下着:主に日本輸出向けのものを購入
③がんちゃんの布団セット・授乳クッション・マザーズバッグ:赤すぐにも載っていたサンデシカのものを見つけたので購入。
④タオル・おしっこマット・ガーゼタオル:主に日本輸出向けのものを購入

(2)ネット専門店
ネットで注文すると代金引換で上海市内であれば1~2日で届けてくれるベビー・マタニティ用品専門店はけっこうある。
多くの場合、購入金額50元から送料無料。代金引換手数料はなし。
ベビー用品の専門店は“愛嬰室”とか“母嬰之家”とか“紅孩子”とかたくさんあるけど、健診に行った帰りにたまたまカタログをもらった“天天加分母嬰商城”で購入してみた。

私が購入したのは主に消耗品で、オムツ(パンパース新生児用)・出産時用ナプキン・お風呂関係(赤ちゃん用ボディソープ、シャンプー、湯温計)・綿棒・洗浄綿・赤ちゃん衣類洗剤など。
combiやpigeonなどの商品も結構たくさんある。
オムツはHuggies ムーニーマン、パンパース、メリーズなどの取扱いあり。
ただしいずれも各メーカーが中国国内販売向きに生産しているものなので、日本のものがほしい場合には日系スーパーなどに行くしかない(ただしものすごく高い)。
配達の人も感じが良かったし、きちんとその場で荷物を開けて注文書と確認してからの支払いになるので安心。

2.お店にて購入
そうは言っても実際に物を見てみたい場合に、上海でベビー用品が購入できる場所。
(1)児童広場
上海市内にいくつかある児童広場。
かなりの広さで、消耗品以外の服やおもちゃなど大抵のものが揃う。
私がよく行くのは立地の関係でで普安路にある霓虹児童広場。

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中には小さなお店がずらーっと100軒以上並ぶ。

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もちろん値段なんて書いてなくてお店の人とのやりとりになるので、ショッピング好きであちこち見て回ったり値段交渉が苦にならない人にはかなり楽しいスポットだと思う。

(2)近所のベビー用品店、スーパー
近所のスーパーの中にベビー用品店がある。
ネット販売もしている大手なので、品揃えもまずまず。

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ただ値段はネットよりも少しお高め。
急いでいるときはいいかもしれない。
会員になったらムーニーマンのオムツ試供品をくれた。
そして店員のおばちゃんがいろいろと教えてくれるのも楽しい。
ネットではこういうやりとりはできないため。
併設のスーパーでもオムツ(パンパース、ムーニーマンなど)は購入できる。

(3)百貨店
伊勢丹、港匯広場、龍之夢など市内大手の百貨店にはベビー用品売り場が設置されている。
いくつか行ってみたけど、目の玉が飛び出るくらい高い。
ただおしゃれなものがあったりするので、目の保養にたまにぶらぶらするのはいいと思う。
伊勢丹には絵本屋さんがあって日本の絵本も売っている。

3.掲示板を利用する
mixiの上海子育てコミュニティなどには、あげます・下さいコーナーなどがあるので、そこで中古のベビー用品が格安で譲ってもらえたり、日本向け商品が手に入ったりする。
私はベビーベッドとベビーバスを無料で譲っていただいた。
メリーや哺乳瓶、服のお下がりもいただいてとても有り難かった。
これはどこで売っていますか?など質問ができるトピックもあるので、上海で子育てする場合にはぜひチェックしたらよいと思う。

4.日本で購入、いただいたもの
ほとんどは上海で調達したものの、やっぱり日本で購入して持ってきてもらったり送ってもらったものは以下。
①粉ミルク
やはり口に入れるものなので、こちらに遊びに来てくれた叔父さんと叔母さんに日本から持ってきてもらった。
周りの中国人に聞いたら、外国に友達や申請などの伝があるのなら送ってもらうという人が圧倒的に多かった。
中国商品は信用できないそうな。
②がんちゃんの下着
母が送ってくれた。
③哺乳瓶セット、布オムツ類
相方の妹さん宅からお下がりをもらった。
哺乳瓶セットはいろいろあって何が必要がさっぱりわからなかったので、とても助かった。
布オムツもこちらのものは日本とちょっと形が違うので、有り難かった。

というわけで、この半年ほどで集めた情報。
いやいや、それにしてもベビー関連の商品ってすごくたくさんある。
中国のベビー産業はまだまだ伸びるんだろうな。
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上海出産事情⑥妊婦の扱われ方 [上海出産事情]

上海で数ヶ月妊娠生活をしてみて、多くの場合において妊婦はかなり大切にされていると感じる。
私が少しでもつまづいたりすると、“重点保護(動物や建物など主に国の保護対象を指す中国語)なんだから気をつけないと!”などと同僚に冗談で言われたりするくらいだ。
私は日本で妊婦生活を送った経験がなく比較はできないため、あくまでも私自身が上海で感じたこと。

①席を譲られる
私の場合は妊娠後期にならないとお腹が目立たなかったのであまり気づかれないことも多かったけど、後期に入って一目で妊婦とわかるようになるとかなりの確率で席を譲られるようになった。
譲ってくれる人で一番多いのはやはり若年~中年の女性で、人によっては遠くから“こっちに座りなさい!”と叫んででも譲ってくれた。
それから意外にも学生くらいの若い男性。
ある日結構込んでいるバスの中で珍しく誰も席を譲ってくれないなあと思っていたら、2停留所ほど過ぎてからいきなりすぐ目の前に座っていた高校生の男の子が立ち上がり、“すみません、寝ていたので気がつきませんでした!”とこちらが恐縮するくらい慌てて席を譲ってくれたこともあった。
私の経験上、妊婦とはっきりわかる場合の上海の公共交通機関(バスと地下鉄)における席譲られ率は80%。

②声をかけられる
とにかく街中で声をかけられる。しかも老若男女を問わない。
職場に弁当を届けに来たおじさんに“もうすぐお母さんだね!”と言われたり、タクシーの運転手さんだと最近生まれた自分の親戚の子どもの話だのカルシウムがいかに大事かという話だの上海での教育費は天井知らずだという話だのを乗車から降車まで延々とされることしばしば。
バスの中も声をかけられやすいスポットで、席を譲ってくれたおばさんが“もうすぐ自分のところも生まれるのよ”とうれしそうに話をしてくれたり、はたまた“何ヶ月なの?お腹あまり大きくないわねえ”と延々とお腹に関する講義を聞かされたり。
住んでいるアパートの敷地内を小さな孫と散歩しているお年よりにも“いつ生まれるの?”と声をかけられたことも何度か。
そして私と相方がよく行く近所のお店では顔を出すたびにコメントされる。
まずは家の向かいにあるローソンの店長さん。
見かけはちょっと派手なおば様なんだけど、今日行ってみると“もう産んだのかと思ってたわよ!でもお腹を見る限りまだ赤ちゃんは下りてきてないわね”とのコメント。
以前ローソンの前にある果物屋さんで買い物をしていたらいきなりこのおば様が現れて、妊娠中の果物の食べ方や選び方を教えてくれたりもした。
そしてDVD屋のおばさんは、男の子か女の子か見分ける方法なんかを教えてくれたり、よく私と相方が仕事帰りに野菜市場で待ち合わせをして一緒に帰るので“いつも大きなお腹の奥さんを迎えに来てくれていい旦那さんね”と言われたり。
多分がんちゃんが産まれてからも、いろんな人が声をかけてくれるんだろう。

③職場
多くの場合は男性でも女性でも非常に気を使ってくれる。
“残業なんてしてないで早く帰りなさい”と毎日言われたり、おやつの時間には果物やお菓子をくれたり、毎日いろいろな妊娠豆知識(食べたほうがいいものや普段の生活で気をつけなくてはいけないことなど)を教えてくれたり。
びっくりしたのは外出時に必ず荷物を持ってくれること。これは男性女性問わず。
同じ年くらいの同僚ならありがたく持ってもらうけど、大先輩が持ってくれたりするとやっぱり気が引けてしまう。
でもあまり断るのも失礼な気がして、ほとんどの場合甘えることにした。
むくみがひどいという話をしたら少し歩いたほうが引くということで、訪問先からの帰りに地下鉄を待つホームの端から端を一緒にうろうろ歩いてくれた先輩(普段はとても怖い上海女性)には感動した。

④外食
同僚とでも友達とでも、とにかく食事の際は基本的に優先権がこちらに回ってくる。
何か料理が出てきたらまず初めに食べさせてくれるし、食事中ずっともっと食べろと言われ、さらに食べ方が足りないとわざわざ取り分けてくれたりする。
これが顕著にわかるのが円卓で食事をした場合で、仕事関係だともちろんビジネス上のマナーが優先はされるんだけど、ボスかお客さんの次に優先権が来る。
もしくはお客さんも気を使って先に薦めてくれたりする。
お店側もはじめから禁煙席に案内してくれたり、暖かい奥の席にしてくれたり、お茶ではなく白湯を出してくれたりといったサービスも。
中には聞いていないのに妊婦によい料理を勧めてくれたりする店もあったり。
確かに全く気を使ってくれず禁煙と書かれているのにタバコをぷかぷかするおじさんの横に座らせられたりという店もあるにはあったけど、でも多くの場合VIPに近い対応だったと思う。

私が妊娠したばかりの頃、中国人同僚が“女性は人生に一度女王様になれるときがあるのよ、それが妊娠したときよ!”と言っていた。
大げさなことを言うなあと思っていたけど、周囲の対応を見ているとまんざらでもないかもしれない。
お腹にもう一人いるということは大変ではあるんだけど、でもこうやっていろいろな人に支えられたり関心を持ってもらいながら(場合によってはちょっと有り難迷惑なこともあるけど)出産を迎えることができるのは、とてもありがたいことだと思う。
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上海出産事情⑤食べ物 [上海出産事情]

妊娠中の食べ物について私はがんちゃんがやってくるまでほとんど知識がなかったので、妊娠がわかってから食べない方がいいものについてはなんとなく調べたけど、特別気を使うこともなく過ごしてきた。
私の場合は周りの中国人からの情報が圧倒的に多かったため、多分知識が中国式(上海式?)に偏っていると思われる。
妊娠してから言われた中国式妊娠中の食べ物あれこれ。

(1)食べる量
妊娠初期に会った日本人の経産婦さんに“前回は体重を増えないようにするのがとにかく大変だった!”と言われ、よっぽど気をつけなくちゃいけないものだと思い、健診の度にどきどきしていた。
日本のネットなんかで見ると、妊娠してからの私の体重増加はかなり初期の頃から標準を上回っていた。
でも健診でも何も言われないし、もともとやせ気味だしいいかなと思って油断していたら、えらいことになって今頃焦っている始末。
周りからの情報も併せると、中国では妊婦の体重制限に対してあまり厳しくない。というか、特別な問題がない限りは何も言われないことも多いらしい。
例えば体重が増えすぎると赤ちゃんが大きくなり過ぎて自然分娩の際に母体にも負担になるという点については、自然分娩が難しければ帝王切開すればいいじゃないか(むしろ最初から帝王切開でいい)という考え方もまだまだ強い。
私の担当医も、あくまでも自然分娩で産みたいのならこれ以上体重を増やすな、という言い方だ。
私の周りでは20キロまでは全く平気だとか、体重制限の話なんかしようものなら二人いるんだから二人分食べなくてどうする、体重なんて気にするな!という人が圧倒的に多い。
日本では8キロ増が基準のようなんですが…と言うと、そんなことで元気な赤ちゃんは産めない!赤ちゃんもなるべく大きく産んだほうがその後病気しないでよろしい!と何人にも言われた。
円卓で食事をしても妊婦優先で真っ先にお皿が回ってきたりするし、うーん、中国での妊婦生活はなかなか危険だ…。

(2)食べたほうがいいもの
①スープ
中国系のスープはとにかくいいとされる。
私も同僚のお母さんに差し入れてもらっていたけど、とにかく鶏でも豚でも栄誉の凝縮された中華スープはいいらしい。
中国人と外食をする時なんかは、わざわざ私のために鶏スープを頼んでくれたりもした。
②卵は一日1個
卵は必ず一日一個は食べろと何人もに言われた。
野菜市場なんかで売っているガチョウの卵(鶏の卵よりもちょっと大きめで水っぽい)もいいらしい。
ゆで卵にして食べればいいとのこと。
③果物はたくさん食べる
果物はとにかくいいので毎日たくさん食べなさい!と言われた。
特に朝のりんごはいいらしく、同僚曰く“毎日りんごを食べるときれいな子どもが生まれるのよ”とのこと。
私はりんごはあんまり食べなかったけど、どうなんだろうか…。
結局私の場合は体重をセーブしてくださいと言われるようになってから、果物の糖分は特に太りやすいので1日1種類1個までと言われた。
もっと早く言ってくれればいいのに…。
きっとこちらの妊婦さんは果物で結構太っているんだろうな。
④妊娠中期からはゴマ
どうやら髪の毛が生え始める時期にゴマを食べると、育毛を助けるらしい。
黒々とした髪の赤ちゃんが生まれるそうな。
⑤葉酸
これは日本と一緒。特に妊娠初期は特に食べたほうがいいと言われ、サプリなんかも売っている。
⑥豆乳
できれば豆乳絞機を購入して毎日新鮮なものを飲んだほうがいいよ!と言われたけど、さすがにそれはしなかった。
⑦栄養のありそうなものはとにかく食べる
魚の頭とか牛肉とか、とにかく栄養のありそうなものは妊婦優先になる。
円卓で食事をするとよくわかる。
私はある会食で、1枚でも相当の大きさのある牛肉のステーキを2枚食べさせられた。あれは大変だった…。

(3)食べてはいけないもの
①お茶類
カフェインの含まれるもの、緑茶やコーヒーなどはなるべく飲まないほうがいいと日本でも言うし、私もお茶を飲むならルイボスティー麦茶、ほうじ茶にしていたのだけど、中国的にはどのお茶も飲まないほうがいいらしい。
私が職場でほうじ茶を飲んでいたら、それは飲んでもいいのかと同僚にしつこく聞かれた。
面白いことに、お腹が大きくなって妊娠が傍目にもはっきりわかるようになってから、客先に訪問するとほとんどの場合私だけ特別に白湯が出される。
他のスタッフに出されるのがお茶でもコーヒーでも、私に出されるのはとにかく白湯。
日本人ボスがそれを見て驚いていた。
きっとお茶を出す中国人スタッフが気を使ってくれたんだろう。
それからコーヒーが飲めないので、仕事の打ち合わせでカフェに入るときなんかは困ったことが何回かあったけど、ある日スターバックスでメニューにないけど何も入っていない普通のホットミルクないですか?と聞くと、ありますと即答された。
プレーンの豆乳もあることが判明。言ってみるもんだ。
②生もの
刺身、サラダなど、とにかく生のものは食べてはいけないらしい。
一度日本人ボスが日本料理屋に連れて行ってくれて普段は食べないような刺身の盛り合わせが出てきたのに、中国人同僚に食べちゃだめと言われたので泣く泣くあきらめた。
日本でも水銀の蓄積などで妊婦はマグロを食べないほうがいいとか言うけど、私はその後相方と何回か回転寿司に行ったり宅配寿司を取ったりして食べた。
生ものを食べちゃいけないのは、体を冷やすものを食べないという漢方的な考え方と、お腹を壊しちゃいけないという理由からのよう。
③体を冷やすもの
冷たい飲み物はもちろん、②とも関係するけど漢方的な体を冷やす物(寒性)は食べてはいけない。
例えばスイカ、パパイヤなど。
④アロエ
これはスーパーのヨーグルト売場のお姉さんが教えてくれた。
アロエヨーグルトを買おうとしたら、妊婦は別の味にしなさいと言われた。
アロエを食べると流産する可能性があると言われているらしい。本当かな。

周りからはいろいろと言われて、へぇ、そうなんだと思ったことはたくさんあったものの、できることだけやればいいかなということで、私の場合は実際さほど気にしなかった。
でもいろいろと気を使って教えてくれた周りの皆さんには感謝だ。
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上海出産事情④電磁波防護服 [上海出産事情]

バスや地下鉄、オフィスビル、スーパー、上海では街中でとてもよく妊婦さんを見かける。
しかもお腹がさほど大きくなくても、すぐに妊婦と判別できる。
私なんて6ヶ月くらいになってもあまり気づかれなくて席を譲ってもらえなかったのに、はてこちらの妊婦さんはなぜすぐにわかるんだろう?とある時考えてみた。
実は簡単なことで、妊婦さんのほとんどが電磁波防護服を着ているからだ。

上海では電磁波が赤ちゃんに悪い影響を及ぼすので妊婦は必ず電磁波防護服を着なければならないと、老若男女を問わずかなりの数の人が信じているようだ。
職場でも、コピー機に近づくな!携帯電話はなるべく使うな!パソコンも長時間はだめ!と口を酸っぱくして言われ続けている(この3つを使わないとほぼ仕事にならないけど…)。
携帯電話でそれまでしゃべっていた同僚に突然“あなた、妊婦は携帯電話あまり使わないほうがいいわよ。じゃあ切るから!”と早口で言われてぶちっと切られたことも一度や二度ではない。

そして懐妊のお知らせ後真っ先に言われたのも、“パソコン使って仕事をするんだから、早く電磁波防護服を買ってきなさい!”だった。
日本ではあまり一般的じゃないし効果のほどが定かではないという意見もかなりあるので、私も最初は別に買わなくてもいいかなあと思っていた。
タオバオで調べてみると、お値段も100元代から1000元代のものまでいろいろあって、効果のほどや品質なんかもやっぱりよくわからない。
見かけも割烹着やエプロンのようで、あまりよろしくない。
とりあえずこれを着て日系のお客さんのところには行けないな、という感じだ。
ただ同僚たちが買ったかと毎日あまりにも熱心に聞いてくるので、とりあえず250元くらいのものを一着購入した。

その後とりあえず会社に常備しておこうと思って引き出しに入れたまま、すぼらな私が毎日会社で着替えるはずもなく、結局妊娠後期の今まで着たのは数える程度だ。
今でも同僚が思い出したように“ところで電磁波防護服はどうした?”と聞いてきたりするので、その時は着てみたりごまかしている。

上海で私が会ったことのある日本人妊婦さんたちは、やっぱり皆さん着ていなかった。
習慣の違いというやつなのでしょうか。
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上海出産事情③産後の過ごし方 [上海出産事情]

妊娠前からよく聞いていたけど、中国では産後1ヶ月くらいを“月子”と呼び、この間はしっかり休み、栄養のあるものを食べ、決して外出したりしてはならない。外気に当たったり、水を触るのもタブー。
科学的には6週間(42日間)なのだそうで、日本で言う産褥期のこと。
この期間を過ごすことを中国語では“座月子”と言い、大層重視している。

私も出産が近づいてきたので、中国人の友人や同僚に“月子はどうするの?”とよく聞かれる。
現在の上海において、月子の過ごし方として一般的なのは下記。

①家族に面倒を見てもらう
一番簡単なのはこれ。
特に両親などがすでに退職をしている場合には、この時期だけ家に住み込んでもらって面倒を見てもらうことが多いよう。
ただし若い世代ではかえって気を遣ったり、親の作る食事が伝統的なものばかりで口に合わないからいやだ、と言った声も。

②月嫂を雇う
“月嫂”とは、月子専用のお手伝いさん。
出産直後のお母さんと赤ちゃんを世話する専門の知識と経験を持ったお手伝いさんで、他の家の掃除などする“阿姨”や子どもの面倒を見る“保母”とも区別されている。
現在、質のいい月嫂はなかなか見つからないそうで、数ヶ月前からの予約が必要だとか。
また数年の経験のあるプロの月嫂の月収はどんどん上がっているそうで、一部報道では上海の同業界の費用は昨年の同時期に比べて20%増という。
上海の平均給与も毎年十数%伸びているけど、この伸び率はすごい。
上海市内のホワイトカラーが住む地域などの月嫂の月給は8,000元超え、場合にとっては1万元以上となることもあるという。
新卒の給与が3000元ちょっとと言われているので、月嫂は高待遇の立派な専門職だ。
それほど知識や経験を求めないなら、3000元/月くらいからでも可能なようだけど。

私も同僚から、“最近従妹に子どもが生まれてちょうど月嫂を雇ったから、よかったら紹介してあげる”と言われた。
彼女は知り合いの紹介で雇ったようだけど、上海には月嫂専門の人材紹介業者もたくさんある。
ただ私自身は、月嫂は基本的に24時間体制なので家に住み込みになるわけだし、出産後の疲れている時に知らない人がずっと家にいるというのは抵抗がある。

余談になるが、上海人が月嫂になることはほとんどないので、基本的には外地出身者だ。
その辺りにはまだ、“月嫂や阿姨などお手伝いさんの仕事は外地の人がやるもの”という上海人のプライドと偏見があるのかもしれない。
でもこれだけ専門化されてきているのなら、お金持ちの上海人向けに上海人の月嫂という職業もありな気がする。
上海人同士では信用度も違うだろうし、ある程度のレベルのサービスをきちんと提供して上海語もしゃべれるとなれば、需要は十分にあるのではと思う。

③月子中心(センター)に入る
しばらく前に、上海人の友達に“私の同級生が出産後1ヶ月ほど月子中心に入ったんだけど、すごくよかったって言ってたからよかったら紹介する”と言われた。
私は月子中心というものが何なのか全く知らなかったのでいろいろ聞いてみると、“お母さんと赤ちゃんが月子を過ごす専門の施設で、中はサービスアパートメントのような感じ。ご飯は3食付で、必要なら家族も泊まれるし、夜は専門スタッフが赤ちゃんを預かってくれる。授乳の指導なんかもしてくれるし、医療関係者もいるからいざというときも安心”なのだそうだ。
へえ、そんな施設があるとは知らなんだ。

ただし費用も決して安くはない。
その子がいう施設は月1~2万元と言っていたけど、上海市内には超高級月子センターもあって3~7万元/月と天井知らず。
確かにHPなんかを見ると、豪華ホテルのような設備で赤ちゃん用ジムがあったりするような所も。
うーん、中国のベビー産業の発展はすごいなあ。

ただその後バスに乗っていた時に知らないおばさんからいきなり、“あなた今何ヶ月?出産後も月子センターにだけは絶対入れちゃだめ!”と言われた。
何でも、その時期ある月子センターで目の病気の集団感染が起きて衛生面が問題になっていたり、高いお金を取るわりにはご飯が全部冷凍もの、なんてことがあったらしい。
この話は後に同僚にも聞いた。
おばさん曰く、月嫂も睡眠薬を飲ませたりする人もいるので注意しろ!とのこと。ひえーっ。


いずれにしても、その人の事情や希望があるだろうから、それになるべく合った形を見つけられるのが一番いいんだと思う。
でも出産後の大変な時にお母さんが一人でがんばるんじゃなくて、周りの人に頼ったりお手伝いさん雇ったりしてもいいんだよという雰囲気があり、むしろ当然のようにそれらが選択肢としてある(無論経済的な前提も必要だけど)ということは、お母さんとしては気持ち的に随分楽だなあと思う。
私はあり難いことに家族の協力が得られそうなので、月嫂を雇ったり月子センターに入ったりする予定はないのだけど、ちょっと面白そうなので月子センターを見に行ったりしてみたい、という気持ちもあり・・・。
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上海出産事情②上海の産休規定 [上海出産事情]

働く女性が出産・子育てする場合、産休に関する法律・規定は大きな関心事。
私も自分が妊娠してみて、改めて興味を持った。
前の会社で人事にいた時に少し勉強したので大まかには知っていたのだけど、新しい政策も出ているみたいなのでおさらいしてみる。

中国では国の法律でもいろいろと決められているけど、各都市ごとにさらに弁法や通知などで細かく定めている。そのため各地で少しずつ取り扱いに違いがある。
まず一番大きな法律が≪中華人民共和国労働法(1995年施行)≫。
ただしここには“妊娠7ヶ月以上の場合には仕事時間の延長や夜間労働をさせてはならない(第61条)”“産休は90日を下回ってはならない(第62条)”“1歳未満の子どもがいる場合には仕事時間の延長や夜間労働をさせてはならない(第63条)”など、いずれも大まかにしか書かれていない。

そして≪女職工労働保護規定(1988年施行)≫。
これはもう少し具体的で、例えば下記のような内容がある。
①女性従業員の妊娠、出産、授乳期間に基本給与を下げる、あるいは労働契約を解除してはならない(第4条)
②妊娠7ヶ月以上の女性従業員には一般的に夜間労働をさせてはならず、労働時間には一定の休憩時間を与える。労働時間に出産前検診をする場合には、労働時間に数える(第7条)
③女性従業員の産休は90日、うち出産前は15日とする。難産の場合には産休プラス15日、多胎児出産の場合は一人につきラプラス15日とする(第8条)
④1歳に満たない子どもを持つ女性従業員に対して、会社は労働時間内に毎回30分、2回の授乳時間を与えなくてはならない。多胎児の場合、子ども一人につき毎回30分の授乳時間をプラスする。授乳時間をまとめて利用することも可能で、授乳時間と会社にて授乳のために移動する時間も労働時間に数える(第9条)
⑤女性従業員が労働保護の権益を侵害された場合、所在会社の主管部門あるいは現地労働部門に不服を申立てる権利を有する。申立を受理した部門は書面を受け取った日から30日以内に処理決定を行わなくてはならない。女性従業員が処理決定に不服の場合、処理決定を受け取った日から15日以内に人民法院に起訴することができる(第12条)

さらに上海における規定としては≪上海市女職工労働保護弁法(1990年施行)≫がある。
上記の内容をベースに、細かく規定される。
①妊娠7ヶ月以上(28週として計算)の女性従業員に対しては、毎日仕事の合間に1時間の休憩を与えなくてはならず、夜間労働をさせてはならない。仕事が許し、本人の申請と会社の批准を経た場合には、2ヵ月半の出産前休暇を取ることができる(第12条)
②妊娠期間に医療保険機構の約定により労働時間内に出産前検診(妊娠12週内の初診も含む)を行う場合、労働時間として数える(第13条)
③産休は情況に応じて下記のようになる。
(1)胎児一人・自然分娩の場合、産休は90日。出産前15日、出産後75日。
(2)難産は産休プラス15日。多胎児の場合は一人につきラプラス15日。
(3)妊娠3ヶ月以内に自然流産あるいは子宮外妊娠した者は、産休30日。妊娠3ヶ月以上7ヶ月以下で自然流産した者は産休45日(第13条)
②(上記授乳時間の内容にプラスして)子どもが満1歳後、県レベル以上の保険機構が虚弱児と診断した場合、最長6ヶ月を超えない範囲で授乳期間を延長してもよい(第15条)
③女性従業員が生育後に困難があり仕事が許す場合、本人により申請を提出し、会社が批准すれば6ヵ月半の授乳休暇を取ることができる(第16条)
④産休中の給与はこれまで通り支給する。本規定に基づき出産前休暇、授乳休暇を取る場合には本人の元の給与の80%を支給する。会社が給与を増額する場合、女性従業員が取った出産前休暇、産休、授乳休暇期間は出勤していたものとして対処しなければならない(第18条)

そして上記とは別途、≪上海市人口と計画出産条例(2004年施行)≫に高齢出産に関する規定がある。
①すでに結婚した女性が第一子を出産する際に満24歳である場合、高齢出産とする(第24条)
②本規定に符合して出産する女性は、国家規定の産休以外に、高齢出産休暇30日をプラスし、その配偶者は高齢出産看護休暇3日を取ることができる。高齢出産休暇と高齢出産看護休暇は産休と同等の待遇を受ける。

つまり私(出産時28歳、初産)の場合、自然分娩だとして産休90日(出産前15日+出産後75日)+高齢出産休暇30日で120日間の産休がもらえる。
妊娠7ヶ月からは1日1時間の休憩時間、出産後がんちゃんが1歳になるまでは1日1時間の授乳時間がもらえる。
またこの間の給与も上記の基準により保障されている。
ちなみに相方は3日間の高齢出産看護休暇がもらえる(実際のところ、自営業だから関係ないけど・・・)。

ちなみに中国には社会保険の中に生育保険(月額納付額:保険計算基数×0.8%、会社全額納付で個人負担なし)というのがあるので、本人が社会保険に加入している場合には産休期間中に出産生活手当が支給され、これが給与相当分となり会社負担とはならないしくみになっている。
今年7月1日から施行された新社会保険法により、出産生活手当は雇用会社の昨年度の従業員月度平均給与を基数として支給されることとなった。
上海市では、雇用会社の月度平均給与が上海市の昨年度の全市月平均給与の300%を上回る場合には300%により計算・支給、逆に全市月度平均給与の60%を下回る場合には60%により計算・支給することとしている。また雇用会社の昨年度月度平均給与が全市の月度平均給与300%を上回った部分については、会社が補填することとなっている(上海市人民政府≪社会保険法≫当市現行調整貫徹に関連する生育保険政策についての通知)。
ちなみに上海市の2010年度の月度平均給与は3,896元なので、出産生活手当支給の上限300%は11,688元、下限60%は2,338元となる(この数字はそのまま社会保険納付基数の上限、下限となる)。

そういえばこの新社会保険法の施行に伴い、中国で就業する外国人の社会保険加入義務化が現在話題になっているが、その中にはこの生育保険も含まれる。
すでに中央からは具体的な通知が出て10月15日から義務化となっているが、上海では実施細則など全く出ていないのだけど。
外国人女性も中国で出産した場合に、国から手当が支給される日が来る・・・かもしれない。

ただこのような法律・規定があっても、各企業でどれだけきちんと守られているかはわからない。
多分守られていないケースもたくさんあるんだろう。
コンプライアンスを気にする日系企業では、ある程度の規模の会社になると守っていることが多いと思うけど。
周りの話を聞いても、日系企業に勤めている人は出産前2ヵ月半、出産後半年ぎりぎりまで休暇を取るなど、割とうまく産休規定を使っているようだ。
規定だけで見るならば、中国の働く女性の出産に対する政策は決して悪くない。
今のところあまり聞いたことがないけど、そのうち男性も育児休暇が取れるようになったりしないものだろうか。

まあ、私自身は勤める会社の規模が小さくもともと融通が利くのであまり心配する必要はなさそうだけど、念のために自分の権利として知っておいた方がいいなと思う。
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